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まともじゃない

ポエム置き場です

ルミネセンス


もうどれくらいこうしているだろう。最初に目が覚めた時はカーテンの隙間から燦々ともれ込んでいた光の筋がいまはもうない。だいたい19時といったところだろうか。また堕落な1日を過ごしてしまった。大学の夏休みは人を廃人にするには充分すぎるほど余暇を与えてくれる。布団から起き上がり、徒歩7秒のトイレに行くのさえ億劫だ。

携帯を開いて、まずツイッターを見る。本垢でフォローしている大学の友達がこぞって浴衣姿を載せていた。安っぽさを競ってるみたいに下品な柄ばかりだけど、怖いものなんてない若さが眩しい。

彼女たちは自分の写真をネットに載せることに抵抗がない。きっと、痛いポエム書いたホームページを2ちゃんねるに晒された黒歴史とか、そもそも黒歴史って概念がないんだろうな。自分はどうやってもそんな可愛い顔で写真にうつれない。

ドン、ドン、

さっきから聞こえていた鈍い音は、どこかの川沿いに上がっている花火だと、こうでもしなきゃ気づかなかった。知り合いが誰も教えてくれなかったのはわざとじゃなくて、ただ忘れられてただけだと思う。素敵な彼も当然私なんか誘わない。もっとキラキラした女の子を連れて一緒になって夜空を見上げてる。首が疲れたとか、人に酔ったとかくだらない甘ったるい会話が脳内で聞こえて超ウザい。そんな女絶対性格悪いから。でもそれさえできない自分はもっと虚しい。あー死にたいナァ。

ツイッターを閉じて、今度はLINEを開く。友だち一覧を眺めて、今からでも会えそうな人は居ないか探してみるが思い当たらない。
ネットで知り合ったよくわからないおじさん。お互い本名は名乗らないけど、さみしい私の居場所になってくれるだろう。都合よく使ってるようで使われてる。やっぱりどうあがいても、いまから今日を最高の1日にするのは難しそうだ。

そもそも、わたしは楽しいことを楽しむのが苦手だ。楽しい時に楽しいと言うことが恥ずかしい。嬉しい時に嬉しいということも恥ずかしい。本当は海も行きたいしBBQもしたいし、サークルの合宿で好きな人と夜中にこっそり抜け出したりしたい。

ひとしきり自己嫌悪したところでまた私の瞼が重たくなってきた。

ドン、ドン、ドン

花火の間隔が短くなっていく。もうすぐクライマックスだ。最後の花火につけられた長い名前を、私が知ることはたぶんない。

 

 


ルミネセンス/ラブリーサマーちゃん